Ya Ya

サザンの曲で何が一番好きかという質問は非常に答えるのが難しいのですが、僕は「なんだかんだYa Ya」と答えます。

小学校卒業する時、ガキのくせにYa Yaを聞きながらセンチメンタルになっていました。

ゴリゴリのロックバンドが、こんな壮大なメロディを奏でることに感動したあの時を今でも鮮明に覚えてるし、歌詞にフランス語が使われていることも衝撃的でした。

中でも一番好きな歌詞が「互いにギター鳴らすだけでわかりあえてたやつもいたよ」です。

これを聞いたとき、ギター弾いてる人たちはギターで会話ができるのかな、と子供ながらに感じました。

そしていつかこの歌詞のように仲間たちとギターを弾いて楽しみたいなと密かに考えていました。

時は経ち、僕が16歳のとき、子供のころから一番仲良かった幼馴染の一秀がいつの間にかギターを弾けるようになっていて、一秀の部屋で氷室京介の曲を聞かせてくれました。

僕は一秀のファッションや髪型などを真似するきらいがあり、彼の影響で氷室京介も好きになりました。

ギターを弾く一秀の姿に、ただカッコいいなーと思うだけで行動には移しませんでしたが、46歳になってアコギを独学で弾き始めました。

ちょうど1年前の2021年初夏、いまでも近所に住む一秀に会った時「ギターを始めたけどアペレジオがよくわからないから教えてくれ」と言うと「それアルペジオだろwww」とそこまで笑わなくていいだろというくらい大笑いしてました。

その一秀が今年の3月31日に天国へ旅立ちました。

けっきょく一秀とギターを弾きながらわかりあうことは叶いませんでした。

彼に伝えたかった言葉がたくさんありすぎて、それを伝えられないことがこんなにも苦しいことなのかと思う日々です。

伝えたかった言葉は、あのときはありがとう、あのときはごめんなばかりで、そんな簡単なことも伝えられなかったことが苦しいです。

それでもきっと「へたくそなギターだなー」と天国で笑っていることを信じ、彼のぶんまで悔いのないよう一生懸命生き、仕事し、歌いたいと思います。